瞑想

私は日常生活に瞑想をとりいれているわけではありませんが、日々の稽古の中で″瞑想に似たこと″を行っています。今回は心と体のパフォーマンスを向上させる私の<瞑想法>についてお伝えしたいと思います。

そもそも<瞑想>とは何なのか。

日本語では、″目を閉じて深く静かに考えること″ですが、英語のmeditationは、”the act of giving your attention to only one thing, either as a religious activity or as a way of becoming calm and relaxed“であり、少しニュアンスが違うようです。

私が行っている″瞑想に似たこと″は英語のmeditationに近く、考えるのではなくできるだけ考えないようにします。

  1. 床の上に仰向けに寝て、手足を軽く開き手のひらを上に向ける。
  2. 手足の力を完全に抜く。
  3. 6秒かけて鼻から息を吸う。息を吸うのに合わせて腹を膨らませる。
  4. 6秒かけて鼻から息を吐く。息を吐くのに合わせて腹を凹ませる。
  5. 目は閉じてもいいし、閉じなくてもいい。
  6. 3と4を繰り返す。
  7. 呼吸に意識を集中する。呼吸のリズムだけを考える。

要は、ゆっくりと腹式呼吸を行うのです。

拙著の紹介ですが、腹式呼吸は呼吸器疾患や片頭痛などに対していくつかの健康効果が明らかとなっています。日頃から腹式呼吸を心がけることは心と体のパフォーマンスを高めてくれる可能性を秘めています。

力を抜いて、できるだけ何も考えない。

何も考えない無念無想の境地は遠いので、私は呼吸のことだけ考えるようにしています。これなら誰にでもできます。

1日のうち3分でも良いので、この<瞑想法>を行ってみてください。

自律神経のバランスを整え、リラックスすることが可能です。ぜひ、お試しください。

継続は力なり

継続は力なり。

学び、体作り、人間関係、あらゆることに共通する方法論と言って良いでしょう。

浄土宗をバックボーンに教育者として生きた住岡夜晃の言葉とされています。

世界的な名著である『7つの習慣』も、”習慣”と謳っており、続けることが大前提となっています。一朝一夕にして成功はあり得ないわけです。

生活習慣病の患者さんを診ていると、食事・運動療法の継続がいかに難しいことであるか痛感します。

薬を飲んで病気を治すような<外>の力ではなく、自分の習慣を<内>から変えていく治療法なので、基本的には患者さん次第です。

もちろん、私を含め医療従事者がやり方を説明し、計画を立て、定期的にチェックし、時に叱咤激励し、患者さんのお気持ちに共感しながら進めていくのですが、何十年もの間身に染み付いた習慣を変えるのは大変なことです。

午後3時のおやつや寝る前の果物・アイスクリーム、運動は大嫌いだし汗をかきたくない、仕事が終わったら家でゆっくりして美味しいものを食べて眠りたい…etc

美味しいものを求める脳内報酬系の力は凄まじく、なかなかブレーキが効きません。

食事・運動療法がうまくいかず、薬物療法が必要になり、薬がどんどん増えてしまう患者さんもいますが、ご自身の習慣を見直し、<内>から変わっていく患者さんもおられます。

継続できる人と継続できない人を分けるものは何でしょうか?

継続できる人はしっかり者で、継続できない人は怠け者だ、なんて短絡的な結論ではありません。

私は、<内=患者さんの心と体>と<外=家族、医療従事者、環境>の関わりこそが不可欠と考えています。

生活習慣の見直しを患者さんだけに任せると大抵うまくいきません。どこかで疲れてしまう。

まず、ご家族を巻き込みます。病気について理解してもらい、食事療法や運動療法に(ちょっとだけ)一緒に取り組んでもらいます。

医師や看護師は初めに生活習慣を変えるきっかけを作ります。ここで個々の患者さんに合ったエビデンスを使う。

外来ではできるだけダメ出しをしないようにします(ダメ出ししないといけない患者さんもいるのでケースバイケースですが)。傾聴して、病気が良い方に向かうように促すわけですが、誤解を恐れずに言えば、”指導”ではなく”誘導”に近いと思います。

患者さんの<内>が前向きになれば、自ら<外=環境>を変えようとされます。例えば、ジムに通うようになったり、お菓子を買わなくなったり。

この状態を継続させるためにはやはりまだ、<外>の力が重要です。

私が必ずお話しするのは、継続のために自分にご褒美をあげること。例えば、検査の結果が良かったら、その日は何でも好きなものを食べて、ゆっくりしていいのです。

患者さんが達成感や喜びを感じられたらうまく軌道に乗ります。たとえ途中で生活習慣が崩れてもご自身で調整されます。この時点で<外>は役割をほぼ終えます。

継続は力なり。

自分だけの問題だと考えている人が多いのではないでしょうか?

私が生活習慣病の患者さんを例にお伝えしたかったことは、何かを始め続けていくためには自分以外の力が大きく関係するということです。

そして、自分の<内>と<外>との相互作用によって<内>がバージョンアップし、継続することができるのだと思います。

FIREなんてしたくない

ここしばらく世の中ではFIRE:Financial Independence, Retire Earlyが話題です。

何らかの方法で経済的に自立し、早めに労働から解放される、という感じでしょうか。

十分にお金を稼いで老後の生活資金も心配なければ余剰資金を自分の好きなことや社会活動に使おうというアイディアはすごくいいと思うのですが、Retireする必要ある?とちょっと疑問です。

それまでの仕事(会社員など)をやめて自分のやりたいことをやるということですから、まったく働かなくなるわけではないと思いますが、その生き方は社会にフィットするのかなあというのが私の率直な感想です。

fill.mediaというウェブメディアがFIREについて分析していました。

FIREには4つのタイプ(ファット・リーン・バリスタ・コースト)があるらしく、自分のライフスタイルや生活水準・資金レベルに合ったタイプを見極めることが″正しい″FIREのために大切らしいです。

また、みんなが羨むようなFIRE達成は相当難しいらしく、ブームに踊らされないようにと釘をさしています。

私はFIREできるようなお金持ちではないですし、今後もFIREなんてできそうにないですが、たとえどんなに現金や資産があってもFIREしたくありません。

理由は2つあります。

1つ目の理由は、人間は生活に一定のリズムが必要だからです。

人間にはサーカディアンリズムという体内時計があります。朝太陽が昇れば起き、夜太陽が沈めば眠る。このリズムが崩れると健康を害します。

日中は会社に行って、夕方から夜に帰宅して寝る。この典型的なライフスタイルは実は生物学的に理にかなっています。

夜間に人工の光に照らされるような環境(夜勤など)はサーカディアンリズムを崩し、気分障害などの精神の病気が増えることが報告されています。また、因果関係は不明ですが、決まった仕事をしていない人は決まった仕事をしている人と比べ、自殺などの死亡率が高くなります。生活のリズムを失うと心がダメージを受けやすくなるのです。

もしも、自分が日中仕事しなくなったら、明日仕事に行かなくて良くなったら、このリズムを崩してしまうでしょう。社会的制約のない状況で自律的な生活は私には難しい。

2つ目の理由は、個人的な好みの問題かもしれませんが、自分と社会との関係を大事にしたいからです。

毎日決まった仕事(私の場合は外来診療)をすることで私は安心と充実感を得ることができます。

毎日決まった仕事をすることで社会とのつながりを実感し、自分の存在意義を確認している気がします。

FIREしたらこの感覚が失われるかもしれません(FIREしてないので分かりませんが)。

FIREは、果たして、<幸せ>なのでしょうか?

FIREを目指す人はFIRE後に<幸せ>が待っていると信じているはずです。でも、FIRE後のことはどうなるか分からない。FIREは<幸せ>になるための手段ですが、FIREすることが目的になってしまってはいないか。

社会が変われば生き方も変わります。

FIREして自分だけ「一抜けた」するのではなく、毎日決まった仕事をしながら、自分のやりたいこともできる社会になるようにがんばりたいですね。

MBAについて・序2

University of DerbyのMBAプログラムはtaught course (120 credits) + dissertation (60 credits) で構成されています。

私の場合、ExeJapan Business SchoolにてPostgraduate Diplomaを取得したので、60 credits分が免除になりました。(英国大学院の学位システムについて概要を知りたい方はここをご参照ください。)

ということで、残り4科目 (60 credits) とdissertation (60 credits)の履修が必要となりました。履修科目は次のようになりました。

  1. Global Supply Chain Management and Logistics
  2. Risk Management in a Global Context
  3. Strategic and Finance Performance Management
  4. Transforming Personal Skills
  5. Dissertation

University of Derbyはtrimester(3学期制)なので、Dissertation(1年)以外のmoduleの履修期間は3カ月でした。

成績評価はformative asssessment(学習過程の評価)とsummative assessment(アサインメント提出による総合評価)に分かれていますが、一部の科目を除き最終的なGradeに関係するのはsummative assessmentのみです。

アサインメントとは、与えられた課題に関して、アカデミックな論文形式で回答するものです。自分のオリジナルな意見を根拠を示しながら論じなければなりませんが、オリジナリティがなくてもきちんとした形式で正しく回答できていればpass(50点)はもらえます。

履修期間の半ばに1回、最後に1回、合計2回、1,500-3,000 wordsのアサイメントを提出しますが、英語で論文などアカデミックな文章を書いた経験があればそれほど苦労はしないと思います。採点者は2人いてかなり細かいところまで見てくれます。

英国大学院の良いところは成績評価の客観的基準がはっきりしていて、学生が対策を立てて学びやすいところです。

講義が始まると学生たちがポータルサイトのDiscussion board上で自己紹介を行うのですが、同期で東アジア人は私一人だけでした。他は英国、北欧、中東、アフリカ地域の方でした。中国人がいなかったのが意外でした。

学生のバックグラウンドは実に多彩で、大学卒の学生、歯医者、刑務官、中東地域の営業マネージャー、National Health Service(英国の国民保健サービス)の事務員などでした。

この多様性が英国大学院のオンラインMBAのだいご味と言えますが、一方でオンラインMBAの欠点は、実地に比べると学生間のコミュニケーションが深まらない点です。

WhatsAppなどのソーシャルメディアで連絡を取り合う学生もいますが、私にとって最大の障壁は「時差」でした。

講師も学生の国際的なバックグラウンドを考えて、GMTで12:00とか18:00とかにウェビナーをやるのですが、日本時間では21:00と27:00になるためリアルタイムの参加が難しかったです。

アジア地域の学生が多いコースであればそのあたりも考慮してくれるのかもしれません。

やり方にもよるとは思いますが、日本でのビジネスのための人脈や新たなビジネスチャンスを求める方にとって、英国大学院のMBAはあまり向いていないように思います。

大学院は学ぶところか?

博士課程は研究するところ、修士課程は深く学ぶところ。

博士課程は社会人が学び直す場ではない。独立した研究者になる人が行く場です。

修士課程は社会人が学び直す場になる。研究とは何かを知り、アカデミックな資料を読み解くスキルを身に付ける場です。

学ぶ社会人は目的がはっきりしているはずです。

<自分探し>のために大学院に行く人はほとんどいないでしょう。仕事や家庭を持ち、生活することのリアルを十分理解しているでしょうから。

社会人が行くのは専門職大学院や実学の分野が多いと思われます。

人生を大きく方向転換し学究の徒になる方がおられるかもしれませんが、社会人は自分の仕事に関連したことが学ぶ目的となりやすく、そのような方はごくまれだと思います。

社会人の学び直しなら学部レベルで十分、なんて考える人もいるかもしれませんが、学びはチャレンジです。大学卒業者は大学院レベルで学ぶべきですし、やはり、学位や資格の<形>をゲットした方が良いです。

形あるもの

社会人の学びに対して、何も学位や資格にこだわる必要はない、自分でオンライン講座を受講したり、書籍を読んだりすれば十分に学べるじゃないか、という意見があると思います。

まあ、その通りなのですが、今回は学位や資格といった<形>がなぜ重要なのかお伝えしたいと思います。

ボーエン博士はアメリカにおける高等教育(高校や大学卒業後に学位や資格取得を目指してさらに学ぶこと)への投資が個人と社会にどのようなインパクトがあるか調べ、学びにかかるコストと比べると経済的な利益は大したことはないが、個人のアイデンティティや才能を見出すことに大きな社会的価値があるとしました。

<形>のある学びは自分の能力の再発見につながります。

同じくアメリカの研究ですが、学位があると年収が高く(専門職学位>博士>修士>学士の順。2011年のデータで、専門職学位のある男性の年収は学士の約1.8倍、女性は約1.6倍)、失業率が低いことが報告されています。

<形>を手に入れることで社会で活躍することが期待できます。

大学院では学びが系統化されており、さらに課題・論文提出により学びが客観的に評価されるため、学びの効果が高くなります。

これらは独学では得られません。

また、学位を持っていることは国際社会でも高く評価されます。海外で働くことを考えている人は少なくとも修士以上の学位を持っていることが望ましいと思います。

日本における学位の評価は残念ながら高いとは言えません。

学位を持っていても収入や社会的地位の向上につながらないこともあるでしょう。

一方、学位という<形>を目指すことは学びをより効果的なものにしてくれるはずです。

また、国際的に通用する<形>であれば、活躍の場が広がります。

さらに、学位・資格あるいは証書など学んだことの証が<形>として残れば、満足度は一段と高くなるはずです。

社会人が学ぶのであれば、ぜひ<形>を手に入れましょう。

時間の使い方

忙しい社会人にとって、自分の勉強時間を確保することは簡単ではありません。

数時間確保しようとすれば、睡眠時間を削るしかなさそうですが、私は仕事のパフォーマンスを下げないように、夜はちゃんと寝るようにしています。

私の時間術のポイントは2つです。

  1. スキマ時間を徹底的に使う。
  2. スマホを最大限に活用する。

1. 文字通り、<徹底的に>に使います。1分、1秒単位。

診察室では必ず自分のPCをネットに繋げて、調べものやペーパーワークが出来るようにします。ひと昔前は職場で仕事中に個人の端末をネットに繋ぐことはタブーでしたが、21世紀になって20年も経った今日、そんな病院はない(はず)です。

一定の空き時間があることが分かれば、大学院のアサインメントや論文を書きます。スタッフの目が気になりますが、心を強くして取り組みます。

もちろん、きちんと仕事をすることが第一です。

患者さんを診察するときは診察に集中します。仕事で成果を出すことは、スキマ時間に自分の勉強をするための必要条件でしょう。また、スキマ時間を作るためには仕事を素早くこなしていかなければなりません。日頃から仕事の無駄を省き効率性を上げる努力をしておきます。

2. スマホは21世紀初めにおける最大のイノベーションです。今やほとんどの業務はスマホ一台で完結します。また、スマホは常に携帯可能なウェアラブル端末なので、スキマ時間活用に大いに役立ちます。

トイレには必ずスマホを持って行き、必要な情報をインプットしましょう。

ミレニアルやZ世代の方はスマホでどんどんアウトプットするのかもしれませんが、就職氷河期世代の私にとって、スマホのサイズ感では十分なアウトプットは不可能です。

スマホはほぼインプット専用、大学院のアサイメントや論文執筆に必要な情報収集に使います。

スマホでソーシャルメディアを見たりゲームをしたりすると数秒・数分がどんどん積み重なり、気づけば数時間になってしまいます。楽しいけど、もったいない気がします。

これを丸ごとインプットの時間に変えます。

スマホで集めた情報はクラウドストレージにアップロードしたりメールで転送したりして、アウトプット用のPCでいつでも利用できるようにします。

スキマ時間における作業は、インプット(移動中でも可能)とアウトプット(座って集中)の端末をほぼ完全に分けることで効率化を図ります。

そして、帰宅したら作業はやめてリラックス。

一日の時間にメリハリ、緩急をつけるようにします。

もう一つ重要なポイントは、スキマ時間を自由に使える職場環境です。社会人が家庭の時間を犠牲にすることなく、仕事中のスキマ時間に自分の勉強をしようと考えるならば、まずはそれが許される職場で働かなくてはなりません。

これこそが、社会人が学び続ける上で、最も大切なポイントかもしれません。

オンライン大学院:advantages and disadvantages

インターネットの発展により、遠く離れた場所であってもほぼリアルタイムでつながるようになりました。

パンデミックによりオンラインでの仕事・娯楽はさらに増え、リモートワークやオンラインミーティングが当たり前の時代になりました。

(本当は良くないことだと思いますが)パンデミック中、講義はオンラインのみで行う大学も多かったようです。分野にもよりますが、オンラインで完結する学びがあります。

オンライン大学院の長所と短所についてはいくつか文献がありますが、次のようにまとめられるでしょう。

<長所>

  1. 学ぶ者の時間と場所を選ばずフレキシブルである。
  2. 必要な情報へアクセスしやすい。
  3. ディスカッション・フォーラム上で学生同士、講師と学生の間のディスカッションが行われる。会話によるコミュニケーションが苦手な学生も参加しやすい。
  4. 費用対効果が高い。
  5. 学生の好みに合わせた学習内容を選択可能。
  6. 自分のペースに合わせた学習が可能。

<短所>

  1. 大学組織との関係が薄く人との交流が少ないため、強いモチベーションとタイムマネジメント能力が必要である。
  2. 得られた知識を口で説明する能力は向上しない。
  3. テストでカンニングしたり、アサイメントでコピペしたり、ずるをしやすい。
  4. ソーシャルスキルは向上しない。
  5. 実践的な技術を習得する分野、例えば、医学や工学には向いていない。社会科学や人文科学には向いている。
  6. 膨大な数のウェブサイトを使って学習することはかえって非効率かもしれない。

費用対効果が高く、フレキシブルであること。オンライン大学院の長所はこれに尽きると思います。

オンライン大学院での学びは基本的に<孤独>なので確かに強いモチベーションが必要です。ソーシャルスキルや口頭でのコミュニケーション能力の問題に関しては、技術開発が進めば今後改善されていくと思います。

分野による向き不向きも重要なポイントです。

実技の習得が必要な自然科学は完全オンラインで修了することは難しいかもしれません。オンラインコースで十分に学べるとは思いますが、face-to-faceで実地で学ぶ時間が必要になるでしょう。

オンライン大学院での学びを検討中の方は、自分のモチベーション、仕事の忙しさ、学びたい分野など総合して決めましょう。

メトホルミン

1950年代にマメ科の植物ガレガソウから作られたメトホルミンは糖尿病の第一選択薬として世界中で使われている偉大な薬ですが、最近では抗がん作用やアンチエイジング作用の可能性も注目されています。

Life Span 老いなき世界の著者、デビッド・シンクレア博士も飲んでいるらしいです。

最近、New England Journal of Medicine誌に、メトホルミン(とイベルメクチンとフルボキサミン)がコロナに効くどうか調べた無作為化比較試験の結果が掲載されました。

プライマリーアウトカムは低酸素血症、救急外来受診、入院あるいは死亡の複合エンドポイントで評価していますが、残念ながら、メトホルミンはコロナに効果はなかったようです(オッズ比 0.84、95%信頼区間 0.66-1.09、p = 0.19)。

効果はなかったけど、効果があるかもしれないと考えてこんな臨床試験を組んだことが驚きです。

改めて、メトホルミンという薬のすごさを感じました。

医学部再受験

もう20年前のことなので、記憶もおぼろ、2020年代の医学部再受験生に役立つ情報はないかもしれませんが、私の経験を書き留めておきます。

学部4年生の夏、大学院試験も終え、研究者になることを志し大学院理学研究科への進学をするつもりでした。

しかし、諸事情および恩師のアドバイスを受け、医学部再受験することに決めました。

受験まで半年くらいしかなかったので短時間で効率よく受験勉強をまとめなければなりませんでしたが、やってて良かった家庭教師。受験を控えた高校生や浪人生を個人指導で教えていたので、数学・英語・生物・化学に関しては受験可能なレベルは維持していました。

お金も稼げて一石二鳥です。再受験するしないに関わらず、大学生になったら家庭教師のバイトをやるべきです。

国語と社会(世界史)が問題で、センター試験(現・大学入学共通テスト)を乗り越えるべく、毎日図書館か空き教室にこもって参考書と問題集に取り組みました。同級生が就職前の準備に忙しくしているさ中、私は一人寂しく受験勉強でした。

予備校には通いませんでした。そもそも予備校に通うお金もありませんでした。

講義を受けるよりもひとつでも多く問題を解き、スピードを上げ、ミスをなくすこと。

受験の極意はここにあると考えていたので、良問を何度も何度も繰り返し解き、知識を固め定式を覚え、似たような問題を見たら反射的に解法が浮かぶようにしました。

2020年代の医学部受験がどういうものか分かりませんが、たぶんこのセオリーは変わっていないと思います。

センター試験で社会(世界史)の点数が何点だったかもう忘れてしまいましたが、40代の今でもときどき夢を見ます。

”センター試験まで一週間なのにまだ世界史の勉強を何もやっていない” とか ”センター試験の社会科目の出願をし忘れた” とかいう夢で、いかに私のストレス(トラウマ)が苛烈であったか…家人によく笑われます。

第一希望はX大学でしたが、模試の成績が最高B判定であったため諦めました。

浪人はできない・しないと心に決めていたので、模試でA判定のY大学を選びました。

志望校の選択に関してはいろいろな考えがあると思いますが、臨床医になるのであれば大学は選びません。

研究医になるなら研究業績の高い大学医学部に行った方が良いと考えていましたが、実際に医師になってみるとこれはそうでもないことが分かりました。

どこの大学に行っても研究はできますし、環境は大事ですが要は本人次第です(大学院の方が重要)。

それから、受験勉強で成功する能力と良い研究をする能力は別です。

ということで、半年間集中的に受験勉強を行い、無事にY大学に合格することができました。

受験勉強中、一緒に飲みに行ってくれたり話を聞いてくれたりした友人たちは今でも大切な友人たちです。彼らの存在なくして医学部再受験は不可能だったと言えるでしょう。

医学部再受験(学士入学ではない)を考えている方へ、私のアドバイスです。

  1. 家庭教師をやること。
  2. 人と話をすること。

若い頃は悩んで迷っていいんだと思います。