BMJ Christmas 2022の論文から

BMJクリスマス特集はちょっと馬鹿げた研究テーマを真剣に考えてみたシリーズですが、昨年もなかなか面白い論文がありました。

Gaesser先生らによるQuantifying the benefits of inefficient walking: Monty Python inspired laboratory based experimental studyと題された論文では、英国のコメディグループ「モンティ・パイソン」によるコント「Ministry of silly walks」に出てくる”バカ歩き”のエネルギー消費量を定量化しました。

13名の健康な被験者に、普通の歩き方、バカ歩きその①(ピューティー氏の歩き方)、バカ歩きその②(ティーバッグ氏の歩き方)3通りの歩き方を実演してもらい、酸素摂取量とエネルギー消費量を計算しました。

その結果、ティーバッグ氏の歩き方は、通常の歩き方と比較してエネルギー消費量が約2.5倍となりました。

Ministry of silly walks」の動画を見ていただければ分かりますが、よくこんな変な歩き方を被験者にやらせたなあ…と。さすがBMJクリスマス特集号。

無駄のない効率的な生活が良しとされますが、痩せるためには無駄のある体の動きが重要です。

休憩中の素振り(ゴルフ、テニス、野球…etc)や貧乏ゆすりなど、何かを得ようと意図的に行うものではない体の動きーすなわちNEAT (Non-exercise activity thermogenesis)が健康の礎となることが分かっています。

私も、誰も見ていないところで、無駄に突き・蹴りの動作をやったりしますが…体力づくりのためにジムに行こうとか痩せるためにウォーキングをしようとか、意図的にやる運動はそれなりに心のエネルギーを必要とします

一方、ついついやってしまうNEATは、ストレスフリーです。

NEATになるくらいその”運動”を好きになって続けることが必要かもしれませんが、みなさんも何でもいいので自分だけのNEATを見つけてください。

BMJ

British Medical Journal、通称BMJは世界五大医学雑誌のひとつで、インパクトファクター93.333(2022年)もあるお化け雑誌です。

毎年12月にクリスマス特集と題して、普通は研究対象にならないような面白いテーマをまじめに分析してみた研究が発表されます。

去年のクリスマス特集に掲載されたのは、

ヘビメタバンドが多い地域ではアルコール関連の死亡率がちょっと低い。

Logicさんのヒップホップソング”1-800-273-8255″により、全米自殺防止ネットワークへの相談電話が増え、自殺者数が減った。

AIはクリスマス特集号の面白いタイトルを作れるか?→作れる。美味しい無料コーヒーが救急科待ち時間に与える影響:観察試験

などでした。

今年のクリスマス特集も楽しみです。