2010年代から商業用の遺伝子検査で自分の体質や病気のリスクを調べることができるようになりましたが、やったことがありますか?
先日、Genelife社の遺伝子検査Genesis2.0をやってみました。
遺伝子情報は究極の個人情報ですので、ここで結果をすべてお見せすることはできませんが、検査の信頼性に関して私の感想は「?」です。
私は小児喘息を持っていたのですが、遺伝子検査の結果は「リスクが低い」。
私はニキビ面だっだのですが、遺伝子検査の結果は「リスクが低い」。
私は通年性アレルギー性鼻炎持ちですが、遺伝子検査の結果は「リスクが低い」。
私はお酒が好きですが、アルコール依存症のリスクは「やや高い傾向」。これは合ってそうなので気を付けなければ。
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360項目におよぶ体質や病気のリスク、さらには身体能力や志向性まで様々なことを遺伝子変異から分析するというのは面白い試みですが、少なくともいくつかの体質や病気に関する結果は信頼性に欠けるのではないか、という印象を持ちました。
Genelife社が注意喚起しているように、SNP(一塩基置換)と体質や病気のリスクとの相関関係を解明する研究は新しい分野ですし、病気の発症は遺伝要因のみで決まるものではありません。環境要因の影響が強い病気では遺伝子検査で病気のリスクを解析することにあまり意味がありません。
しかし…解析の根拠となる文献が2000-2010年代のものばかりで、日進月歩の遺伝子研究においてそんな古い文献を根拠として提示するのではなく、最新の文献を紹介して欲しかったです。
Genelifeはジェネシスヘルスケア株式会社の事業です。どんな企業なのか会社ホームページを覗いてみましたが、CEOや取締役の方々のお名前を拝見しいろいろと考えさせられるものがありました。遺伝子検査ビジネスを成功させるのは簡単ではない。
遺伝子情報などビッグデータの解析はAIが行う時代になったので、遺伝子変異と体質や病気のリスクの関係について新しい情報がどんどん出てくると思われます。
商業用の遺伝子検査を行う会社もデータをどんどんアップデートして、解析結果の信頼性を高めて行ってほしいものです。
