Boehme et al. (2023). The gut microbiota is an emerging target for improving brain health during ageing

腸内細菌叢のバランスは人間の身体に大きな影響を与えます。

糖尿病や肥満症などエネルギー代謝に関わる病気、免疫力、うつ病や不安神経症など精神の働き、さらには認知機能など、身体全体と深いかかわりを持っていることが分かってきました。

この総説は脳の老化と腸内細菌叢の関係についてまとめたものです。

腸内細菌叢はこの世に生まれてからダイナミックに変化し、免疫系の発達、離乳食の開始、青年期に生活習慣が確立することで、徐々に安定していきます。ここでも生活習慣が重要な役割を演じます。

老化は、腸内細菌叢の中心となる菌種の減少、個々の人間独自の腸内細菌の増加、多様性の変化、腸内細菌叢の機能の変化を起こしますが、健全な腸内細菌叢を保つことが脳の健康にとっても重要です。

以下、Abstractの日本語訳です。

腸内細菌叢は、加齢に伴う脳機能への影響や行動制御を含め、生涯を通じて宿主の健康と恒常性の維持に重要な役割を担っています。

神経変性疾患の発症など、年齢が同じくらいであるにもかかわらず、老化の速度に差があることが示されており、老化における健康状態の決定において環境因子が重要な役割を果たす可能性が示唆されています。

近年、腸内細菌叢が脳の老化症状を改善し、腸内細菌叢をターゲットに健康的な認知機能を促進する治療の可能性が示されてきています。

本総説では、腸内細菌叢が持つ加齢に伴う神経変性疾患(アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、多発性硬化症)への影響を含め、腸内細菌叢と脳の老化との関係に関する現在の知見をまとめます。さらに、腸内細菌叢を介した治療戦略について評価します。

Abstractを読んだだけでは何を言いたいのかよく分かりませんが…。

  1. 腸内細菌叢が”健康的”だと認知機能が改善し、脳の炎症が下がり、ミクログリア(脳の免疫細胞)の働きが良くなる。
  2. 人間には脳腸相関が存在し、腸内細菌叢が脳機能に影響を与える。
  3. “健康的な”腸内細菌叢を保つためには良きライフスタイル:運動、プロバイオティクス/プレバイオティクス、地中海食、絶食などを取り入れることが必要である。

こんな感じで覚えておいていただければよいかと思います。