まねぶ

“学びは真似ることである”

誰が言ったか定かではありませんが、確かにその通りだと思います。

武術では先生の動きをよく観察して、とにかく真似ます。

足運び、体捌き、手足の形、息遣い。

また、<型>を通して身体操作を学び(真似び)ます。

それでは学問ではどうか。

誰かが学んでいることをそっくりそのまま真似ることはもちろんできませんが、ロールモデルの学ぶ姿勢や方法を真似ることで、より効率的・効果的に学ぶことができると言えます。

私の場合、上司が臨床も研究も全力で取り組む方だったので、その姿を真似びて今の自分がある気がします。

ロールモデルとの出会いは<縁>かもしれません。学生時代に出会うこともあれば、社会人になってから出会うこともあるでしょうし、仕事ではなく趣味の場などで出会うことがあるかもしれませんね。

“メンター”と呼べるような方に出会えたら、よく観察して<一挙手一投足>を真似てみる。

私が武術の稽古で知った<まねびスキル>です。そういえば、映画バケモノの子の中で似たような描写があったような気がします。

たぶん、これは、業種に関わらず適用できることだと思います。

誰かを真似て学び、そしていつか、自分が誰かに真似される。

そのようにして学びの流派みたいなものが続いていくのかもしれません。

英語学習法

日本に住んでいると日常生活で英語を使う機会は決して多くはありません。

少なくとも私は、普段まったく英語をしゃべりません。

英語を学ぼうとするならば、積極的に学ぶ機会をつくらなくてはいけないでしょう。

今回は私の英語学習法についてお伝えいたします。

英語力の評価として、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4つがあると思います。日本人の弱点がスピーキングであることに異論はないのではないでしょうか。

私も例外ではなく、スピーキングが苦手です。これは圧倒的な英会話の経験不足が原因です。日本は単一民族国家であり、日常的に英語を使う必要は(今のところ)ないわけです。

リーディングとライティングに関しては、英語論文の査読と英語論文の執筆で学ぶことができます。もちろん、医学英語は特殊なので、一般的な英語とは多少異なるかもしれませんが、単語や文法はここから学ぶことができます。

査読も執筆も時間がかかり面倒くさいなあと思うことがしばしばですが、学術誌からお誘いが来たら、怪しい学術誌じゃない限り、二つ返事で受けるようにしています。

編集部とメールでやりとりすることで英会話の勉強になることもあります。

それでは、スピーキングはどうすれば良いのか?

言うまでもなく、日本語のない、生活する上で英語のスピーキングスキルが必須の環境に身を置くことが最も効果的でしょう。私が毎日聴いているラジオビジネス英会話で、ピーター・バラカンさんが「少なくとも6カ月、できれば1年以上英語の国へ行け。」と言っていました。

とはいえ、日本で働いている社会人が留学や海外赴任(あるいは移住)以外でまとまった期間、英語の国に住むのはあまり現実的ではありません。

日本にいながらスピーキングスキルを鍛えることはできないでしょうか?

この辺は英語に精通した方に一家言あると思いますので、素人考えですが、無数にある英会話アプリから自分に合うものを選んで使うことが今のところ一番良さそうです。

リアルタイムで英語ネイティブの人と話すものやAIと会話するものなどいろいろなアプリがありますが、私は時間を選ばず対人ストレスなく英会話を練習したいという観点から、スピークバディを使っています。

AIの会話能力と言語認識能力がいまひとつですが、フィードバックがあるので結構良いのではないかと思います。

他に、ラジオ英会話やBBC World Service(ラジオ)のシャドウイングをしてスピーキングの練習をしています。

私の英語学習法をまとめます。

  1. リーディング:英語論文やネットの英語記事を読む。
  2. ライティング:英語論文を書く。メールでやり取りする。
  3. リスニング:NHKラジオ英会話・ビジネス英会話・BBC World Service。
  4. スピーキング:英会話AIアプリ。

ポイントは、学習時間を自由にマネジメントできること。スキマ時間に学習可能です。朝食前・通勤中・仕事の休憩時間・寝る前…etc

リアルには敵わない。リアル留学最強。ですが、日本にいてもできることはあります。私が住んでいる片田舎では外国人とリアルコミュニケーションをとる機会もほとんどありませんが、ネットを駆使して英語に触れる時間を増やすことは可能です。

将来的には、日本語⇔英語の即時変換機能を備えた優れたデバイスが登場するかもしれません。そうなるとコミュニケーション目的の英語学習って意味あるの?となりますが、そんなデバイスがなくても困らないように英語学習を続けたいと思います。

時間の使い方

忙しい社会人にとって、自分の勉強時間を確保することは簡単ではありません。

数時間確保しようとすれば、睡眠時間を削るしかなさそうですが、私は仕事のパフォーマンスを下げないように、夜はちゃんと寝るようにしています。

私の時間術のポイントは2つです。

  1. スキマ時間を徹底的に使う。
  2. スマホを最大限に活用する。

1. 文字通り、<徹底的に>に使います。1分、1秒単位。

診察室では必ず自分のPCをネットに繋げて、調べものやペーパーワークが出来るようにします。ひと昔前は職場で仕事中に個人の端末をネットに繋ぐことはタブーでしたが、21世紀になって20年も経った今日、そんな病院はない(はず)です。

一定の空き時間があることが分かれば、大学院のアサインメントや論文を書きます。スタッフの目が気になりますが、心を強くして取り組みます。

もちろん、きちんと仕事をすることが第一です。

患者さんを診察するときは診察に集中します。仕事で成果を出すことは、スキマ時間に自分の勉強をするための必要条件でしょう。また、スキマ時間を作るためには仕事を素早くこなしていかなければなりません。日頃から仕事の無駄を省き効率性を上げる努力をしておきます。

2. スマホは21世紀初めにおける最大のイノベーションです。今やほとんどの業務はスマホ一台で完結します。また、スマホは常に携帯可能なウェアラブル端末なので、スキマ時間活用に大いに役立ちます。

トイレには必ずスマホを持って行き、必要な情報をインプットしましょう。

ミレニアルやZ世代の方はスマホでどんどんアウトプットするのかもしれませんが、就職氷河期世代の私にとって、スマホのサイズ感では十分なアウトプットは不可能です。

スマホはほぼインプット専用、大学院のアサイメントや論文執筆に必要な情報収集に使います。

スマホでソーシャルメディアを見たりゲームをしたりすると数秒・数分がどんどん積み重なり、気づけば数時間になってしまいます。楽しいけど、もったいない気がします。

これを丸ごとインプットの時間に変えます。

スマホで集めた情報はクラウドストレージにアップロードしたりメールで転送したりして、アウトプット用のPCでいつでも利用できるようにします。

スキマ時間における作業は、インプット(移動中でも可能)とアウトプット(座って集中)の端末をほぼ完全に分けることで効率化を図ります。

そして、帰宅したら作業はやめてリラックス。

一日の時間にメリハリ、緩急をつけるようにします。

もう一つ重要なポイントは、スキマ時間を自由に使える職場環境です。社会人が家庭の時間を犠牲にすることなく、仕事中のスキマ時間に自分の勉強をしようと考えるならば、まずはそれが許される職場で働かなくてはなりません。

これこそが、社会人が学び続ける上で、最も大切なポイントかもしれません。

医学部再受験

もう20年前のことなので、記憶もおぼろ、2020年代の医学部再受験生に役立つ情報はないかもしれませんが、私の経験を書き留めておきます。

学部4年生の夏、大学院試験も終え、研究者になることを志し大学院理学研究科への進学をするつもりでした。

しかし、諸事情および恩師のアドバイスを受け、医学部再受験することに決めました。

受験まで半年くらいしかなかったので短時間で効率よく受験勉強をまとめなければなりませんでしたが、やってて良かった家庭教師。受験を控えた高校生や浪人生を個人指導で教えていたので、数学・英語・生物・化学に関しては受験可能なレベルは維持していました。

お金も稼げて一石二鳥です。再受験するしないに関わらず、大学生になったら家庭教師のバイトをやるべきです。

国語と社会(世界史)が問題で、センター試験(現・大学入学共通テスト)を乗り越えるべく、毎日図書館か空き教室にこもって参考書と問題集に取り組みました。同級生が就職前の準備に忙しくしているさ中、私は一人寂しく受験勉強でした。

予備校には通いませんでした。そもそも予備校に通うお金もありませんでした。

講義を受けるよりもひとつでも多く問題を解き、スピードを上げ、ミスをなくすこと。

受験の極意はここにあると考えていたので、良問を何度も何度も繰り返し解き、知識を固め定式を覚え、似たような問題を見たら反射的に解法が浮かぶようにしました。

2020年代の医学部受験がどういうものか分かりませんが、たぶんこのセオリーは変わっていないと思います。

センター試験で社会(世界史)の点数が何点だったかもう忘れてしまいましたが、40代の今でもときどき夢を見ます。

”センター試験まで一週間なのにまだ世界史の勉強を何もやっていない” とか ”センター試験の社会科目の出願をし忘れた” とかいう夢で、いかに私のストレス(トラウマ)が苛烈であったか…家人によく笑われます。

第一希望はX大学でしたが、模試の成績が最高B判定であったため諦めました。

浪人はできない・しないと心に決めていたので、模試でA判定のY大学を選びました。

志望校の選択に関してはいろいろな考えがあると思いますが、臨床医になるのであれば大学は選びません。

研究医になるなら研究業績の高い大学医学部に行った方が良いと考えていましたが、実際に医師になってみるとこれはそうでもないことが分かりました。

どこの大学に行っても研究はできますし、環境は大事ですが要は本人次第です(大学院の方が重要)。

それから、受験勉強で成功する能力と良い研究をする能力は別です。

ということで、半年間集中的に受験勉強を行い、無事にY大学に合格することができました。

受験勉強中、一緒に飲みに行ってくれたり話を聞いてくれたりした友人たちは今でも大切な友人たちです。彼らの存在なくして医学部再受験は不可能だったと言えるでしょう。

医学部再受験(学士入学ではない)を考えている方へ、私のアドバイスです。

  1. 家庭教師をやること。
  2. 人と話をすること。

若い頃は悩んで迷っていいんだと思います。