体組成(筋肉・脂肪・水分量など)の異常とCOVID-19による死亡や入院との関連を調べた興味深い研究(システマティックレビュー)です。
フェーズアングルとは細胞膜の生理的な安定性を表す指標で、健康な人やアスリートでは高く、高齢者やがん患者などでは低くなります。
筋肉内の脂肪量が高く、フェーズアングルが低いほどCOVID-19による死亡が多いという結果でした。
背景:体組成の異常が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のアウトカムに及ぼす影響はまだ明らかにされていない。
目的:COVID-19患者における体組成の異常と臨床アウトカム(死亡・入院)との関連についてのエビデンスをまとめること。
方法:2022年9月26日までに発表された体組成測定に関する観察研究を対象とした。骨格筋量、筋肉の密度(放射線検査またはエコー強度により測定)、脂肪組織(AT)、およびフェーズアングル(PhA)を測定したCOVID-19患者を対象に系統的な検索を実施した。研究の質はニューカッスル・オタワ尺度を用いて評価された。メタ分析を行わずに、体組成の異常の有無と臨床アウトカムとの関連をまとめた。
結果:12人から1,138人の被験者を含む62の研究(69.4%がバイアスリスクが低い研究)最大490,301人の結果を分析した。CT検査の結果を解析したところ、筋肉量低下の割合は約22-90%、筋肉の放射線密度の低下の割合は12-85%、内臓脂肪高値の割合は16-70%であった。生体電気インピーダンス分析(BIA)を用いた脂肪量高値の割合は51%、PhA低下の割合は22-88%であった。死亡率は、PhAと筋肉内脂肪、筋肉エコー強度、およびBIAによる脂肪量と正の相関があった。ICUへの入院は、内臓脂肪および総脂肪量と正の関連があった。病気の重症度と入院については、筋肉内脂肪と正の関連があった。他の体組成測定と入院の間には一貫性のある関連は見られなかった。
結論:COVID-19患者において体組成の異常が認められた。特定の体組成の異常と臨床的なアウトカムの間には相反する関係が見られたが、筋肉エコー強度(筋肉脂肪変性を反映する)の増加とPhAの低下は一貫して、死亡リスクと関連していた。同様に、高い筋肉内脂肪と内臓脂肪はそれぞれ死亡率とICU入院と関連していた。
