Thanarajah et al. (2023). Habitual daily intake of a sweet and fatty snack modulates reward processing in humans

健康な人49名を対象とした無作為化比較試験です。

高糖質・高脂肪食を食べると、もっと高糖質・高脂肪食を食べたくなる一方、低糖質・低脂肪食を食べた人と比べて体重は変わらなかったという結果。

要旨:脂肪と糖分が多い西洋式の食生活は、過剰なカロリー摂取や体重増加を促進するが、その基本的なメカニズムは不明である。肥満と脳ドーパミン機能の変化の関連については多くの報告があるが、これらの変化が(1) 肥満にもともと存在し体重増加への感受性を高めるのか、(2) 肥満の副次的な結果であるのか、または、(3) 西洋式の食生活を続けることで直接引き起こされるのか、はっきり分かっていない。

このメカニズムを調べるため、正常体重の健康な被験者を対象に、通常の食生活に加えて、高糖質・高脂肪のスナックか低糖質・低脂肪のスナックを8週間食べてもらい、体重や低糖質・低脂肪あるいは高糖質・高脂肪の飲み物に対する欲求がどのように変化するか無作為化比較試験(NCT05574660)を実施した。

高脂肪・高糖質の食事は、低脂肪食品への欲求を減らし、食べ物の学習に関連する脳の反応を増加させた。これらの変化は体重や代謝パラメーターの変化とは独立していたため、高糖質・高脂肪の食事を繰り返し摂ることが食欲増進や体重増加のリスクを高める脳の反応に直接影響を与えることを示している。

ファストフードやソフトドリンクを摂るとまた摂りたくなるということです。

低糖質・低脂肪食を食べると高糖質・高脂肪食に対する食欲が減るわけではなさそうなので、健康に良い低糖質・低脂肪食を推奨するというよりも、いかに高糖質・高脂肪食を繰り返し食べないようにするかが重要のようです。

仮にすでに肥満の人や糖尿病患者さんが高糖質・高脂肪食を食べたら、どんどん太って病状が悪化しまうでしょう。

健康な人は代謝の働きが良いのですぐに太ることはなさそうですが、ファストフードやソフトドリンクはごくたまに、にした方が良さそうですね(きっとその方が美味しく感じます)。