BMJクリスマス特集はちょっと馬鹿げた研究テーマを真剣に考えてみたシリーズですが、昨年もなかなか面白い論文がありました。
Gaesser先生らによるQuantifying the benefits of inefficient walking: Monty Python inspired laboratory based experimental studyと題された論文では、英国のコメディグループ「モンティ・パイソン」によるコント「Ministry of silly walks」に出てくる”バカ歩き”のエネルギー消費量を定量化しました。
13名の健康な被験者に、普通の歩き方、バカ歩きその①(ピューティー氏の歩き方)、バカ歩きその②(ティーバッグ氏の歩き方)3通りの歩き方を実演してもらい、酸素摂取量とエネルギー消費量を計算しました。
その結果、ティーバッグ氏の歩き方は、通常の歩き方と比較してエネルギー消費量が約2.5倍となりました。
「Ministry of silly walks」の動画を見ていただければ分かりますが、よくこんな変な歩き方を被験者にやらせたなあ…と。さすがBMJクリスマス特集号。
無駄のない効率的な生活が良しとされますが、痩せるためには無駄のある体の動きが重要です。
休憩中の素振り(ゴルフ、テニス、野球…etc)や貧乏ゆすりなど、何かを得ようと意図的に行うものではない体の動きーすなわちNEAT (Non-exercise activity thermogenesis)が健康の礎となることが分かっています。
私も、誰も見ていないところで、無駄に突き・蹴りの動作をやったりしますが…体力づくりのためにジムに行こうとか痩せるためにウォーキングをしようとか、意図的にやる運動はそれなりに心のエネルギーを必要とします。
一方、ついついやってしまうNEATは、ストレスフリーです。
NEATになるくらいその”運動”を好きになって続けることが必要かもしれませんが、みなさんも何でもいいので自分だけのNEATを見つけてください。
