BCGワクチンの効果

Bacillus Calmette–Guerin (BCG) ワクチンは、基本的には結核予防のために使われ、全世界で数十億人の人がすでに接種済みです。日本において、平成25年度以降は生後1歳に至るまでの間に接種することとなっています(生後5か月~8カ月が多い)。

一方、BCGワクチンは、膀胱癌術後に癌細胞に対する免疫を高めるために使われたり、1型糖尿病の治療に使える可能性があったり、いろいろな可能性を秘めたワクチンのようです。

8/15にマサチューセッツ総合病院のDenise L. Fausetman博士らが、衝撃的な論文を発表しました。

タイトルは、”Multiple BCG vaccinations for prevention of COVID-19 and other infectious diseases in Type 1 diabetes”。1型糖尿病患者さんを対象にした無作為化比較試験で、COVID-19(コロナ)に対するBCGワクチン (Tokyo-172株) の有効性を検証しました。

15カ月の試験期間中、BCGワクチンを複数回接種していた人96名のうちわずか1名がコロナを発症したのに対して、プラセボを接種した48名のうちコロナを発症したのは6名でした。この結果から、BCGワクチンのコロナに対する発症予防効果は92%であったと報告されています。

東北大の大隅典子先生もBCGのオフターゲット効果として解説されています。

人間の免疫の働きについてはまだまだ分からないことばかりです。

100年以上前に開発されたBCGワクチンのコンセプトが、コロナに有効であったという結果には驚きと希望を感じます。

コメントを残す