道場における作法

武道は礼に始まり礼に終わる、と言われますが、日々の稽古において、稽古開始時と終了時に必ず座礼をします。

必ず、です。今まで5000回以上稽古してきましたが、座礼は決して欠かしません。

また、組手では必ずお互いに礼をしてから始めます。

必ず、です。礼をせず、相手に敬意を持たずに行う組手はケンカと同レベルです。礼をすることによってお互いに高め合う準備をします。

また、道場に出入りする際も礼をします。

他にもいろいろと「作法」がありますが、道場によって異なります。

武術・武道を指導する立場になり、私が道場生に求めた作法は稽古後の掃除です。

公共施設を使わせていただく中で稽古後の掃除は義務ではありませんでしたが、私と道場生みんなで毎回掃除をするようにしてきました。日本人の感覚からすれば当たり前のことでしょう。

鹿児島に戻り常設道場で稽古するようになりましたが、そこで驚いたのが道場生のお母様の作法でした。

稽古終了後に道場床のモップ掛けを子どもたちにさせているのですが(子どもたちにとってはちょっとした遊びになっています)、ある道場生のお母様(親子で道場生)が毎回トイレ掃除をしてくださるのです。

私から頼んではいませんし、トイレ掃除までしなくてもよいのですが、稽古に参加されたその日から自発的にしてくださっています。

先日はその方の旦那さんもトイレ掃除をしてくださいました。そういうご家庭なのですね。

私は鹿児島生まれ鹿児島育ちですが、しばらく東京に住んでいました。

以前、鹿児島の子どもたちが横断歩道を渡った後、待ってくれた車に一礼するのを見て大変驚きました。東京では見ない光景です。

鹿児島は少し特殊なのかもしれませんが、徐々に薄れてきてはいるものの、旧薩摩藩の教育理念が子どもたちの教育に残っているのかもしれません。

道場で見る道場生によるトイレ掃除が鹿児島では当たり前で東京では当たり前ではないのかは分かりません。

(土地柄の違いというより、武術・武道を学ぶために道場に通う人は掃除や礼を重んじる傾向があるのかもしれない)

この作法が道場で受け継がれていくことを期待しています(自分でトイレ掃除したくないわけではありません笑)。